2025-10-11 : 現役世代の女性のメンテナンス(疲労回復整体),産前から、腰痛、肩こり、姿勢、猫背、頭痛、首痛(首の筋ちがい),産後の不安、自律神経、リラックス調整,産後の首こり、産後肩こり、仕事を頑張る女性の首こり、肩こり、腰痛,肩こり、首こり、首筋こり、背痛(原因不明の手のしびれ、育児や抱っこしたときだるい,腰痛(ぎっくり腰、慢性腰痛、ヘルニア、坐骨神経痛)足のしびれ
「朝起きると手首がズキッと痛む」「赤ちゃんを抱き上げる瞬間や、おむつを替える時に激痛が走る」 子育て中のママにとって、手首の腱鞘炎は最もつらいマイナートラブルの一つです。包丁を持つ、タオルを絞るといった些細な動作すら苦痛になり、育児への意欲まで奪ってしまうことがあります。
今回は、この「抱っこによる手首の痛み」の正体であるドケルバン病(腱鞘炎)の原因を解剖学的に解説し、痛みから解放されるための具体的なセルフケアと予防策を徹底的にご紹介します。
1. 抱っこで手首が痛くなるメカニズム:ドケルバン病とは?
子育て中に発症する手首の痛みの多くは、「ドケルバン病(De Quervain’s Tenosynovitis)」と呼ばれる腱鞘炎です。
腱と腱鞘の役割
手首には、指や手首を動かすための**腱(けん)というコードのような組織が走っています。この腱がスムーズに動くようにトンネルのように覆っているのが腱鞘(けんしょう)**です。
問題の発生場所: ドケルバン病は、親指を動かす2種類の腱(長母指外転筋腱と短母指伸筋腱)と、その腱を包む腱鞘との間で炎症が起こる病気です。
痛みの部位: 親指側の手首の付け根(橈骨茎状突起部)付近に、圧痛や腫れ、動作時痛が発生します。
産後ママ特有の3つの原因
なぜママは腱鞘炎になりやすいのでしょうか。原因は「使いすぎ」だけではありません。
原因 | 内容 | 影響 |
---|---|---|
1. ホルモンの影響 | 妊娠・産後に分泌されるリラキシンというホルモンが、関節だけでなく腱鞘や靭帯まで緩めるため、組織が不安定になり炎症を起こしやすくなります。 | 組織が弱体化し、炎症が長期化しやすい。 |
2. 抱っこの反復動作 | 赤ちゃんの頭を支える際、手首を小指側に曲げた状態(尺側偏位)で、親指を立てて保持する動作を頻繁に行います。この動作が、親指側の腱と腱鞘を繰り返し摩擦します。 | 特定の腱に集中的な負荷がかかる。 |
3. 育児による姿勢悪化 | 猫背や巻き肩の姿勢で抱っこすると、腕の筋肉(前腕筋)も過剰に緊張します。腕の緊張は手首の負担を増やし、腱鞘炎の治りを遅らせます。 | 全身のバランスの悪さが手首に集中する。 |
2. 腱鞘炎のセルフチェック(フィンケルシュタイン・テスト)
ご自身の痛みがドケルバン病によるものかを確認する簡単なテストです。
親指を内側に握り込み、拳を作ります。
手首を小指側にゆっくりと曲げます(手の甲を上にする)。
手首の親指側(橈骨茎状突起部)に強い痛みや鋭い痛みが走る場合、ドケルバン病の可能性が高いです。
※痛みを感じたら無理せず中止してください。
3. 自宅でできる! 痛みを和らげる効果的なストレッチ&セルフケア
腱鞘炎の回復には、炎症を抑える「安静」と、硬くなった筋肉を緩める「ストレッチ」が不可欠です。
3-1. 【炎症期】アイシングと負担軽減
痛みが出始めた急性期は、炎症を抑えることを優先します。
アイシング(冷却): 痛む箇所に氷を乗せて15分程度冷やします。炎症を鎮め、腫れを引かせる効果があります。
装具(サポーター)の活用: 親指と手首を固定するサポーターを使用し、可能な限り腱を休ませます。特に、寝ている間や抱っこ時に着用すると効果的です。
抱っこ方法の改善: 抱っこ紐を活用し、手首への負担を減らす工夫をしましょう。また、抱っこする際は手首をまっすぐに保つことを意識してください。
3-2. 【回復期】腱と筋肉を緩めるストレッチ(3ステップ)
炎症が少し落ち着いたら、硬くなった筋肉を緩め、腱と腱鞘の摩擦を減らすためのストレッチを行います。
ステップ1:親指を伸ばすストレッチ(最も重要)
このストレッチは、ドケルバン病の原因となる親指を動かす腱を伸ばします。
手のひらを上に向けて腕をまっすぐ前に伸ばします。
反対側の手で、親指以外の指4本を優しく下方向に曲げます。
親指は力を抜いてぶら下げた状態にし、親指側の手首の付け根が伸びているのを感じます。
痛みが強くならない範囲で15秒キープします。
これを3セット繰り返します。
ステップ2:前腕(前腕屈筋群)のストレッチ
手首を曲げる筋肉の緊張を緩め、手首全体にかかる負担を軽減します。
肘をまっすぐ伸ばし、手のひらを前に向けます(指先は上)。
反対側の手で、指先を優しく手前に引き寄せます。
**腕の内側(手のひら側)**が伸びているのを感じながら20秒キープします。
ステップ3:前腕(前腕伸筋群)のストレッチ
手首を反らす筋肉の緊張を緩めます。
3-3. 抱っこ時の手首の「安定化トレーニング」
痛みがなくなった後の再発予防として、手首を安定させる筋肉を鍛えます。
軽いダンベル(または水を入れたペットボトル)を持ちます。
前腕を机の上に乗せ、手首だけを机の外に出します。(手のひらは下向き)
ゆっくりと手首を上に反らし、ゆっくりと元の位置に戻します。
これを10回×3セット行います。腱鞘炎の原因となる「横の動き」ではなく、「上下の動き」で筋肉を鍛えることがポイントです。
4. セルフケアの限界と整骨院での専門治療
セルフケアで改善しない場合は、手首だけでなく、**姿勢全体(特に猫背や巻き肩)**に問題がある可能性が高いです。
専門施術が必要な理由
骨盤・背骨の歪み修正: 肩こりや猫背が原因で、腕の付け根や肩甲骨周りが固まると、手首の負担は減りません。当院では、まず骨盤と背骨の歪みを整え、上半身の緊張を根本から解放します。
硬くなった筋膜の解放: 慢性化した腱鞘炎は、腱だけでなく周囲の筋膜も硬く癒着しています。特殊な筋膜リリースで、手首から肘、肩にかけての硬さを取り除き、腱の滑走性を高めます。
正しい抱っこ姿勢の指導: 痛みの出ない抱き方、体幹を使った抱き方など、育児のプロとして実生活に即したアドバイスと、再発予防のためのインナーマッスル指導を行います。
「いつまでこの痛みが続くのだろう」と不安を抱えているママ、抱っこの痛みを我慢し続ける必要はありません。専門的なケアと正しいセルフケアで、笑顔で育児できる体を取り戻しましょう。